編入試験の併願を考えるとき、多くの人がまず知りたいのは「落ちたらどうなるのか」だと思います。先に結論を書くと、落ちても在籍している大学はそのまま続きます。不合格の通知が来ても、翌週も普通に授業に出て、そのまま3年生に上がるだけです。

そのうえで、この記事の本題は併願の組み方です。経済系の編入は大学ごとに日程がばらばらで、すでに出願が始まっている大学と、これから始まる大学が混在しています。最も早い大学は8月20日に受付を開始し、8月26日に締め切ります。まず全体像を見てください。2027年度(2027年4月入学)の22校を、出願日順に並べたものです。当メディアが要項を1校ずつ読んで作りました。

大学・学部 出願期間 試験日 合格発表
滋賀大 経済 8/20〜8/26 1次=書類/2次=面接 10/10 10/23
近畿大 経済 8/26〜9/2 9/12
同志社大 商 8/27〜9/10(登録)
9/3〜9/10(郵送)
10/10 10/16
関西大 商 9/8〜9/11 10/18 11/2
鹿児島大 法文 9/15〜9/18 10/17 11/10
神戸大 経済 9/17〜9/24 11/3 11/13
長崎大 経済 9/17〜9/28 10/24 11/6
東北大 経済 9/24〜10/2 2次=筆答 11/19 12/11
京都大 経済 9/25〜10/7 口述試験 11/6 12/14
神戸大 経営 9/25〜10/2 11/3 11/20
龍谷大 経済 10/1〜10/8 11/8 11/14
三重大 人文(法律経済) 10/1〜10/6 11/7 12/11
山形大 人文社会 10/1〜10/7 10/31 12/1
埼玉大 経済 10/1〜10/9 11/21 12/8
広島大 経済 10/2〜10/7 11/21 12/4
名古屋大 経済 10/5〜10/8 10/30 11/11
大阪大 経済 10/5〜10/9 口頭試問 11/26 12/7
横浜国立大 経済 10/14〜10/20 11/16 12/17
島根大 法文(法経) 10/14〜10/20 11/28 12/9
富山大 経済 10/15〜10/21 11/25 12/4
新潟大 経済科学 11/2〜11/5 11/21 12/17
筑波大 社会学類 11/2〜11/9 11/26〜27 12/10

各校の2027年度(令和9年度)募集要項に基づく。日程は変更されることがあるため、出願前に必ず各大学の公式要項で確認してください。個別の試験科目・出願資格は各大学名のリンク先にまとめています。

いちばん上の滋賀大学は、すでに受付が始まっていて8月26日に締め切ります。次いで近畿大学が9月2日、同志社大学が9月10日。「編入を考えはじめた時点で、もう出願期間に入っている大学がある」——これが経済系編入の実態です。まず自分の志望校がこの表のどこにいるかを確認してください。

この記事の要点

  • 落ちても在籍している大学はそのまま続く。失うのは受験料と時間で、積んだTOEICや経済学は残る
  • 10月までの試験日はほぼ重ならない。詰まるのは11月下旬だけで、物理的には複数校を受けられる
  • ただし併願できない組み合わせが4つある(滋賀大2次×同志社商/神戸大の経済×経営/⚠️11月21日に3校/大阪大×筑波大)
  • ⚠️英語のスコアがなくても出せる大学が6校ある(当日筆記が3校/英語そのものがない大学が3校)

落ちたら実際どうなるのか

まずここをはっきりさせておきます。編入試験の不合格は、いまの生活を何も変えません。

失うものと、残るもの

内容
失うもの 検定料(1校あたり3万円前後)/証明書の発行手数料と郵送費/準備に充てた時間
残るもの いまの大学の在籍TOEICのスコア/ミクロ・マクロの知識/志望理由書を書く過程で言語化した動機

とくにTOEICのスコアは、編入に落ちてもそのまま就職活動で使えます。経済学の基礎も、そのまま在籍校のゼミや専門科目で効きます。準備そのものが無駄になる構造になっていない——これが編入という挑戦の性質です。

併願にいくらかかるか

「失うもの」で最初に来るのが検定料です。実額を確認できた範囲で並べます。

大学 検定料
神戸大 経済/大阪大 経済/名古屋大 経済 30,000円
近畿大 経済 35,000円

※上記4校は各記事で確認済みの金額です。他5校は要項でご確認ください。国公立はおおむね30,000円が目安になります。

つまり3校併願なら検定料だけで9〜10万円。ここに証明書の発行手数料、書留や速達の郵送費、遠方なら受験当日の交通費が乗ります。併願は無料ではありません。

だからこそ「とりあえず数を出す」ではなく、後半で扱う準備が重なる組み合わせを選ぶ意味が出てきます。1校増やすたびに3万円と書類作成の手間がかかると分かっていれば、選び方が変わるはずです。

ただし卒業年次は変わらない

誤解のないように書いておくと、落ちた場合はいまの大学で3年生・4年生を続けて卒業するだけです。1年を失う仮面浪人や、身分を失う退学とは、その点が決定的に違います。制度そのものの説明は大学編入とは?仕組み・メリット・デメリットにまとめました。

この「落差の小ささ」があるからこそ、併願を組む意味が出てきます。1校しか受けないのはもったいない、という話です。

試験日はほとんど重ならない

冒頭の表を、今度は試験日の順で並べ替えてみます。

試験日 大学 当日の中身
9/12 近畿大 経済 経済学の基礎テスト+口頭試問
10/10 同志社大 商 / 滋賀大 経済(2次面接) 衝突①
10/17 鹿児島大 法文 経済学の筆記2時間+面接10分
10/18 関西大 商 専門1科目
10/24 長崎大 経済 総合問題100分+面接
10/30 名古屋大 経済 記述2問(120分)
10/31 山形大 人文社会 面接のみ
11/3 神戸大 経済 / 神戸大 経営 衝突②(同一大学)
11/6 京都大 経済 口述試験のみ
11/7 三重大 人文(法律経済) 論述試験90分+面接
11/8 龍谷大 経済 専門+英語+面接
11/16 横浜国立大 経済 専門1科目
11/19 東北大 経済 経済数学+経済学
11/21 埼玉大 経済 / 広島大 経済 / 新潟大 経済科学 衝突③(3校)
11/25 富山大 経済 英語+小論文100分+面接
11/26 大阪大 経済 / 筑波大 社会学類(1日目) 衝突④
11/28 島根大 法文(法経) 小論文2時間+面接

9月から10月にかけては、ほとんどの大学が別の日に並んでいます。9月12日の近畿大学から10月31日の山形大学まで、およそ1週間から10日おきです。この時期に限れば、日程が理由で受けられない大学はほぼありません。

詰まるのは11月です。11月21日から28日までの8日間に、6校が入っています。そのうち11月21日は3校が同じ日で、11月26日も2校が重なります。

つまり「日程が重なるから受けられない」という問題は、11月下旬にだけ集中して起きます。10月までに受ける大学を1つか2つ入れておくと、この混み合った週に全部を賭けずに済みます。

制約になるのは日程ではなく準備の重さ

ただし、受けられることと勝負になることは別です。科目構成がばらばらだからです。神戸大は数学が要り、阪大はEREが要り、龍谷は当日の英語筆記があり、名大は記述2問。全部に本気で備えるのは現実的ではありません。

だから併願は「日程が空いているから受ける」ではなく、準備が重なる大学を選ぶのが基本になります。この点は後半の併願パターンで具体化します。

併願できない組み合わせが4つある

カレンダーを作る過程で、日程がぶつかる組み合わせが4つ見つかりました。どれも見落としやすいので先に確認してください。⚠️このうち③と④は、2026年9月に経済系の国公立を全国で調べ直したときに新しく出てきたものです。

① 滋賀大の2次面接と同志社商の試験日

同志社大 商 試験日 2026年10月10日(土)
滋賀大 経済 第2次選考(個人面接)2026年10月10日(土)

同じ日です。滋賀大は1次が書類選考なので出願自体は両方できますが、滋賀大の1次を通過した場合、同志社の試験日と面接日がぶつかります。

日付そのものは要項を見れば分かります。問題は、同志社に出願する9月10日の時点では、滋賀大の1次に通るかどうかがまだ分からないことです。1次通過の発表は10月2日で、同志社の出願が締め切られた後になります。

この2校をどちらも受けたい場合は、先にどちらを優先するかを決めてから出願してください。10月2日になってから慌てて考えることになると、片方の検定料3万円が確実に無駄になります。

② 神戸大の経済学部と経営学部が同じ日

もうひとつは、同じ大学のなかで起きる衝突です。

神戸大 経済学部 試験日 2026年11月3日/数学+経済学
神戸大 経営学部 試験日 2026年11月3日/4科目から2科目選択

どちらも募集20人で、経営学部の選択科目には経済学が含まれています。経済学部志望者にとって本来は有力な併願先のはずですが、試験日が同じなので片方しか受けられません。

判断材料は数学です。経済学部は数学が必須、経営学部は選択肢に数学がありません。数学に不安があるなら経営学部、数学が武器なら経済学部という切り分けになります。英語もTOEIC L&Rしか使えない経済学部に対し、経営学部はTOEFL・IELTSも選べます。

③ 11月21日に3校が重なる

埼玉大 経済学部 試験日 2026年11月21日(土)/13時から面接のみ
広島大 経済学部 試験日 2026年11月21日(土)/口述400点+専門200点
新潟大 経済科学部 試験日 2026年11月21日(土)/専門2科目

3校が同じ日です。しかも3校とも英語は当日の試験がなく、提出したスコアを換算する形です。準備がそのまま使い回せる3校なのに、日付が重なるせいで1校しか受けられません。

分かれ目は当日の負担です。埼玉大学は面接だけ、新潟大学は専門2科目、広島大学は口述が専門の2倍の配点です。専門を仕上げる時間が取れないなら埼玉大学、専門で点を取りにいけるなら新潟大学、という選び方になります。

⚠️ もうひとつ、新潟大学だけ出願が11月2日から5日と遅いことも効きます。埼玉大学(10月9日締切)と広島大学(10月7日締切)に出したあとで、新潟大学に出すかどうかを決められます。ただし出願期間は4日しかありません。

④ 大阪大の口頭試問と筑波大の1日目

大阪大 経済学部 口頭試問 2026年11月26日(木)
筑波大 社会学類 1日目 2026年11月26日(木)/専門90分+英語90分。⚠️2日目27日に面接

筑波大学は2日間そろって1つの試験で、要項に「指定された試験を1つでも受験しなかった場合は欠席扱いとなり、選考の対象外となります」と書かれています。⚠️1日目だけ捨てて2日目に行く、という受け方はできません。

この2校は英語の扱いが正反対です。大阪大学はTOEIC・TOEFL・IELTSのいずれか1種を提出する形、筑波大学は当日90分の英語筆記。準備が重ならないので、日程を別にしても両立しにくい組み合わせです。

京大だけTOEFLで、出願も名大・阪大と重なる

2026年に確認した範囲でもうひとつ注意点があります。京都大学 経済学部の出願は9月25日〜10月7日で、名大(10月5日〜8日)と阪大(10月5日〜9日)の期間をまるごと含みます。この3校を併願するなら、10月第1週に3校分の書類が重なります。

さらに京大は英語がTOEFL iBTのみで、TOEICでは出願できません。他校向けにTOEICを積んできた人にとっては、京大だけ別の試験が必要になります。

1つのスコアで何校に出せるか

次に英語です。22校の扱いを並べると、大きく4つに分かれました。

英語の扱い 大学 必要水準
出願要件
(基準あり)
同志社大 商 TOEIC 650/TOEFL/IELTS 5.5(英検は不可
関西大 商 TOEIC 630/英検準1級
横浜国立大 経済 TOEIC 620/TOEFL iBT 61
名古屋大 経済 TOEIC 590
長崎大 経済 TOEIC 450(⚠️スコアは点数に加算されない)
スコアが
点数になる
神戸大 経済 300点満点中100点に換算
神戸大 経営 TOEIC・TOEFL・IELTSを100点に換算
滋賀大 経済 1次選考で200点配点
埼玉大 経済 100点に換算(基準点なし)
新潟大 経済科学 100点に換算
広島大 経済 英語民間試験8種から1つ
出願要件
(基準の明示なし)
大阪大 経済 TOEIC・TOEFL・IELTSのいずれか1種+ERE
近畿大 経済 みなし得点に換算
三重大 人文(法律経済) TOEIC公開テストの提出が必須。⚠️志願者が多い年はTOEICだけで1次選抜
東北大 経済 1次選抜はTOEIC L&Rのみ
当日の
筆記試験
龍谷大 経済 スコア提出は不要
富山大 経済
筑波大 社会学類
英語が
要らない
鹿児島大 法文 英語の試験もスコア提出もない
山形大 人文社会
島根大 法文(法経)

1つのスコアで15校に出せる

要件が数字で示されている5校のうち、いちばん高いのが同志社の650点です。TOEIC 650点を1つ持っていれば、この5校すべての出願要件を満たせます。

さらに神戸大の2学部・滋賀大・埼玉大・新潟大・近大は基準そのものがなく、スコアがそのまま点数になる方式です。大阪大・三重大・東北大も基準の数字は示されていません。当日筆記の3校と英語が要らない3校を除いた15校に、同じスコアで出せます。

ただし650は「出願できる」水準であって、「合格に届く」水準ではありません。基準のない大学ではスコアがそのまま得点になりますし、名古屋大学のように出願要件が590点でも、実際に編入した人は800点台が中心という例があります。

⚠️ スコアが伸びなくても出せる大学が6校ある

ここが2026年に全国を調べ直して分かった、いちばん大きい変化です。英語のスコアがなくても出願できる大学が、6校あります。

大学 当日にやること
当日に英語を解く 龍谷大 経済 専門+英語+面接
富山大 経済 英語と小論文で100分+面接
筑波大 社会学類 専門90分+英語90分+面接(2日間)
英語がそもそもない 鹿児島大 法文 経済学の筆記2時間+面接10分
山形大 人文社会 面接のみ
島根大 法文(法経) 一般教養の小論文2時間+面接

「スコアが足りなくて出願すらできない」というのは、編入受験でいちばん多い行き詰まり方です。その状態でも、6校には出せます。

⚠️ ただし中身は分かれます。龍谷大・富山大・筑波大は当日に英文を読む力が要ります。スコアを提出しないだけで、英語から逃げられるわけではありません。

⚠️ 一方で鹿児島大・山形大・島根大の3校は、英語そのものが試験にありません。鹿児島大は経済学の筆記、島根大は専門知識を要しない小論文、山形大は面接だけです。英語に時間を使えない事情がある人にとっては、この3校の並びが現実的な出口になります。目標設定の考え方は大学編入の英語対策|TOEICは何点必要かにまとめました。


次に読む
大学編入の英語対策|TOEICは何点必要か

合格発表の順番を利用する

併願の効果は「受かる確率が上がる」だけではありません。発表の順番を利用すると、後半の試験を落ち着いて受けられます。

発表日 大学
10/16 同志社大 商
10/23 滋賀大 経済
11/2 関西大 商
11/6 長崎大 経済
11/10 鹿児島大 法文
11/11 名古屋大 経済
11/13 神戸大 経済
11/14 龍谷大 経済
11/20 神戸大 経営
12/1 山形大 人文社会
12/4 広島大 経済 / 富山大 経済
12/7 大阪大 経済
12/8 埼玉大 経済
12/9 島根大 法文(法経)
12/10 筑波大 社会学類
12/11 東北大 経済 / 三重大 人文(法律経済)
12/14 京都大 経済
12/17 横浜国立大 経済 / 新潟大 経済科学

ここで注目してほしいのは、11月上旬までに結果が出る大学が5つあることです。同志社商が10月16日、滋賀大が10月23日、関西大商が11月2日、長崎大が11月6日、鹿児島大が11月10日。

この時期に1つ合格を持っていると、11月中旬から下旬に集中する試験を「後がない状態」で受けなくて済みます。11月16日の横浜国立大、11月19日の東北大、11月21日の3校、11月25日から28日の3校。編入試験は当日一発の比重が大きいので、この差は小さくありません。

逆に、12月まで結果が1つも出ない組み方もできてしまいます。⚠️12月に発表が集中していて、12月1日から17日のあいだに9校が並びます。名大・阪大・横国だけに出すと最初の発表が11月11日、最後は12月17日。組み方次第で、受験期の重さがかなり変わります。

併願パターン3案

ここまでを踏まえて、現実的な組み合わせを3つ挙げます。そのまま真似するものではなく、自分の状況に近いものを起点にしてください。

① 国公立本命型|神戸大・名大・阪大

組み合わせ 神戸大(11/3)+名大(10/30)+阪大(11/26)
準備の重なり 経済学の基礎が3校で共通。TOEICも1つで足りる
注意 神戸大は数学、阪大はEREが別途必要。名大・阪大は出願期間がほぼ重なる(10/5〜8と10/5〜9)ので書類を同じ週に2セット作ることになる
発表 最初の結果が11/11。それまで結果ゼロの期間が長い

② 保険を先に確保する型|同志社商・関大商+国公立1校

組み合わせ 同志社商(10/10)+関大商(10/18)+神戸大または名大
準備の重なり 私立2校はどちらも専門1科目型で対策が近い
注意 同志社はTOEIC 650が要る。出願も8月下旬〜9月上旬と早い
発表 10/16に最初の結果。11月の国公立を落ち着いて受けられる

③ 英語のスコアがない場合|選べる大学は6校ある

組み合わせ 英語がない3校(鹿児島大 10/17・山形大 10/31・島根大 11/28)から2校+当日筆記の1校
準備の重なり 鹿児島大は経済学、島根大は一般教養の小論文、山形大は面接だけ。3校とも試験日が別なので全部受けられる
注意 スコアが要らないことと、受かりやすいことは別。⚠️山形大は当日が面接だけでも実質倍率が3倍前後、島根大は法経学科の合格者が3年とも4人
発表 鹿児島大が11/10と早い。ここで1つ取れると12月が楽になる

⚠️ 以前この記事では「スコアがない人の選択肢は龍谷大だけ」と書いていました。2026年9月に経済系の国公立を全国で調べ直した結果、6校あることが分かったので書き換えています。

なお当メディアの運営者は、実際に滋賀大・名古屋大・東北大の3校に出願して名古屋大学へ編入しています。国公立だけで組むとこの3校のような形になり、書類の準備量もそのまま3倍になります。スコアの証明書を余分に確保しておくといった実務は、名古屋大学 経済学部 編入の記事で具体的に触れました。

出した全部を受ける必要はない

ここまでは組み方の話でした。もうひとつ、あまり書かれないことがあります。出願した学校を、全部受ける必要はありません。

上でも触れたとおり、当メディアの運営者・直野は滋賀大・名古屋大・東北大の3校に出願しています。その3校が実際どうなったかを並べると、こうなります。

出願先 どうなったか
名古屋大学 本命。受験して合格し、ここへ進学
滋賀大学 面接まで受けたが、途中で降りた(当時はスコアの提出が面接より後にあり、出さずに終えた)
東北大学 出願だけして、受験には行っていない

3校に出願して、最後まで受けたのは1校です。

直野 史明直野 史明名古屋大学 経済学部 編入

理想は名古屋大学でした。それ以外なら、どこかの旧帝大に行きたかったので東北大に出しました。

ただ、名大に受かったので、東北は受けに行っていません。

出す数と、受ける数は別

ここから言えることがあります。併願は「受ける数」ではなく「出す数」で組むものだということです。

出願は、その時点では選択肢を増やす行為でしかありません。実際に受けるかどうかは、本命の結果を見てから決められます。出願の段階で「3校も受け切れるだろうか」と悩んで数を絞るのは、順番が逆です。

本命の発表が、併願校の試験より前かどうか

これは運まかせの話ではなく、出願前にカレンダーで確認できます。2027年度でいえば、この2校がまさにその関係です。

名古屋大 経済 筆記 10月30日 → 合格発表 11月11日
東北大 経済 第2次選抜 11月19日

名大の結果が出てから、東北大を受けるかどうかを決められます。10年以上前に直野が置かれていたのと、同じ構造がいまも成立しているということです。

逆に、本命の発表が併願校の試験より後なら、結果が分からないまま両方を受けに行きます。移動も宿泊も体力も要るので、この違いは小さくありません。上の出願カレンダーを見るときは、試験日だけでなく合格発表日も並べて確認してください。

その3万円で、何を買っているのか

検定料は戻りません。国公立は1校3万円で、出願だけして受けなければそのまま消えます。書類の準備も同じだけかかります。

ただ、それを「無駄になった3万円」と数えるのは違うと思います。併願校に出しておくと、合否とは別に手に入るものが2つあります。

いつ受けるか 手に入るもの
本命よりに1校受ける 試験の雰囲気に慣れる。会場の空気、時間の使い方、当日の緊張。本命が「初めての本番」にならない
本命よりに1校残しておく 心の余裕になる。「ここで全部決まる」と思いながら本命に臨まずに済む

どちらも当日の出来にそのまま効きます。編入試験は1科目2時間程度の一発勝負が多く、その日の精神状態が点数に直結します。初めての会場で、しかも「落ちたら終わり」という状況で最大の力が出せる人は多くありません。

それが3万円と書類の準備で買えるなら、ここをケチるのは戦略的とは言えません。

ただし、行く気のない大学には出さない

そのうえで線を1本引いておきます。最初から行く気のない大学に出すのは別の話です。受けずに済ませていいのは、あくまで「行ってもよかったが、より上の結果が出た」場合。直野が東北大に出したのも、名大が駄目なら進学するつもりだったからで、練習や記念で出したわけではありません。

出す時点では、全部に行く覚悟で選ぶ。そのうえで結果次第で受けに行かない、という順番です。この順番を守っていれば、場慣れも心の余裕も、後からついてきます。

まとめ

併願を組むときに押さえる点を、順番に並べます。

① 落ちても失うものは小さい 在籍は続き、TOEICと経済学の知識は残る。だから複数校に出す価値がある
② 詰まるのは11月下旬だけ 9/12から10/31までは1週間から10日おき。ただし11/21から11/28の8日間に6校が入り、そのうち11/21は3校が同じ日
③ スコアは1つで足りる TOEIC 650あれば要件が数字で示された5校すべてに出せる。⚠️スコアがなくても出せる大学が6校ある
④ 発表の早い大学を1つ入れる 同志社10/16・滋賀10/23・関西大商11/2・長崎11/6・鹿児島11/10。⚠️12月に9校の発表が集中するので、ここを押さえると後半が楽になる
⑤ 出願は夏に始まっている 最速は滋賀大の8月20日。動き出しが秋だと選択肢が減る

最後に、この記事でいちばん伝えたいことを書いておきます。併願で本当に効くのは「受験校を増やすこと」ではなく、「準備が重なる組み合わせを選ぶこと」です。TOEICを1つ作り、経済学の基礎を1冊仕上げる。それだけで出願できる大学が一気に増える構造になっています。

逆に、数学が要る神戸大とEREが要る阪大と当日英語がある富山大を全部本気で受けようとすると、どれも中途半端になります。⚠️22校あるということは、選べるということであって、全部受けられるということではありません。絞るために併願を考える、という順序で組んでみてください。

自分の学年・単位数・いまのTOEICスコアから、どの組み合わせが現実的なのか。ここは条件が人によって違うので、一般論では決まりません。候補を3つに絞るところまでは、一緒にやったほうが早いと思います。私たち2人も、それぞれ複数の大学に出願したうえで神戸大学と名古屋大学へ編入しました。どちらも専門学校からのルートです(運営者プロフィールはこちら)。

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