今回、経済系の編入を実施している国公立を全国で調べました。そのなかでも志願者が多かったのが筑波大学社会学類です。募集10名に対して、直近4年の志願者は72人・67人・64人・64人。合格者は12人・11人・10人・11人でした。
試験は2日がかりです。1日目に専門科目90分と外国語90分、2日目に個別面接。専門科目は社会学・法学・政治学・経済学から1つを事前に選び、⚠️出願したあとの変更は認められません。
この記事の要点
- 募集は社会学類10名。社会学・法学・政治学・経済学の4主専攻の合計
- ⭐大学が実施結果を公開しており、志願者は4年とも64〜72人、合格者は10〜12人
- 試験は2日間。専門科目90分+外国語(英語)90分+個別面接。⚠️配点は要項に出ていない
- ⚠️出願後に主専攻分野を変えられない。当日も選んだ科目以外は受験できない
- 出願は2026年11月2日〜9日必着(持参不可)、試験11月26日〜27日。⚠️単位認定は60単位が上限
過去4年の実施結果|志願者64〜72人に対して合格10〜12人
筑波大学は入試情報サイトで学群編入学試験の実施結果を学類別に公開しています。社会学類の欄を4年分ならべると、こうなります。
| 年度 | 募集人員 | 志願者 | 合格者 | 入学者 | 志願者÷合格者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和5年度 | 10 | 72 | 12 | 10 | 6.0 |
| 令和6年度 | 10 | 67 | 11 | 10 | 6.1 |
| 令和7年度 | 10 | 64 | 10 | 10 | 6.4 |
| 令和8年度 | 10 | 64 | 11 | 11 | 5.8 |
出典:筑波大学入試情報サイトが公開している令和5・6・7・8年度の「入学試験実施結果」の学群編入学試験の表。募集人員・試験科目・日程は令和9年度 学群編入学学生募集要項(社会・国際学群 社会学類)によります。
⚠️ 右端は当メディアが割り出した数字です。そしてほかの大学の記事とは前提が違います。筑波大学の表には受験者数の欄がないので、受験者ではなく志願者で割っています。実際に受けに来た人はこれより少ないはずなので、当日の倍率はもう少し下がります。
それでも、今回志願者数を取れた大学のなかでは多いほうでした。⚠️ただし大学によって数える単位が違います。学科ごとに出しているところ、コースをまとめているところ、学部全体のところがあるので、横に並べて比べることはできません。
言えるのは筑波大学の中の動きだけです。合格者は4年とも10人から12人で動いていません。志願者が減っても合格者が増えないので、倍率は6倍前後のまま安定しています。
もうひとつ、合格者と入学者がほぼ同じです。令和8年度は11人合格して11人入学。辞退がほとんど出ていません。ここは他の大学と違うところです。
試験は2日間|専門科目・外国語・面接
| 日程 | 時間 | 科目 |
|---|---|---|
| 2026年11月26日(木) | 10:00〜11:30 | 専門科目90分(社会学・法学・政治学・経済学から1科目選択) |
| 13:30〜15:00 | 外国語90分(英語) | |
| 2026年11月27日(金) | 10:00〜17:00 | 個別面接 |
要項は「入学志願者に対して、専門科目、外国語及び面接を課し、提出書類等を含めて総合的に判定して、合格者を決定します」と書いています。⚠️各科目の配点は要項に出ていません。どの科目が重いかは分かりません。
⚠️ もうひとつ、指定された試験を1つでも受験しなかった場合は欠席扱いになり、選考の対象外になります。2日間そろって1つの試験です。
持ち込みの制限が細かい
要項の受験上の注意には、他の大学より細かい指定があります。当日に困りやすいものを挙げます。
| 1 | 下敷きと、あらゆる種類の計算機の使用を禁止 |
|---|---|
| 2 | 英文字や地図等が表示された衣服の着用を禁止。故事・格言等が印刷された鉛筆も不可 |
| 3 | 机の上に置けるのは受験票・鉛筆・消しゴム・鉛筆削り・時計(計時機能だけのもの)・眼鏡・ハンカチ・目薬・ティッシュペーパーのみ |
| 4 | 電子機器類は面接を含む試験会場に入る前にアラームを解除して電源を切り、かばんに入れる |
計算機が使えないので、経済学で計算が出れば手で解きます。時計も、計時機能だけのものに限られます。
主専攻分野は出願時に決めて、あとから変えられない
社会学類の募集人員10名は、社会学・法学・政治学・経済学の4つを合わせた数です。経済学だけの枠は要項に出ていません。
そして出願のときに、この4つから1つを選びます。要項の書き方は2か所にあります。
| 出願のとき | 出願後の志望する主専攻分野の変更は認めません |
|---|---|
| 試験当日 | 学力検査においては、事前に選択した主専攻分野以外の科目の受験は認めません |
⚠️ 出願の締切は11月9日、試験は11月26日です。この17日間で「やっぱり別の科目にしたい」と思っても動かせません。三重大学のように過去問を見てから決められる大学とは、順番が逆になります。
アドミッション・ポリシーには、選抜の狙いも書かれています。筆記試験と口述試験によって、社会科学系の学問に対する高い問題意識と意欲を持つ人を選ぶ。そして希望する主専攻分野に関する初歩的な素養と、論理的思考力を十分に備えている人材を選抜する、という書き方です。
「初歩的な素養」という言葉が使われています。専門を深く問うのではなく、その分野を学ぶ土台があるかを見るという書きぶりです。ただし⚠️具体的にどこまでかは書かれていません。
出願資格と日程
| 号 | 出願できる人 |
|---|---|
| (1) | 大学、短期大学、高等専門学校を卒業した人。2027年3月31日までの卒業見込みを含む |
| (2) | 2027年3月31日までに、大学(外国の大学を除く)に2年以上在学し、62単位以上を修得した人。修得見込みを含む |
| (4) | 専修学校の専門課程(修業年限2年以上、その他文部科学大臣の定める基準を満たすもの)を修了した人 |
| (3)(5)(6) | 高等学校などの専攻科/外国の大学・短期大学/旧制の学校 |
⚠️ (2)で出願時に62単位に届いていない人は、不足分の単位修得見込証明書を出します。学校から発行されない場合は、履修登録システムから出力した履修登録票か、自分で作った履修科目リストと該当科目のシラバスのコピーでも受け付けると要項に書かれています。シラバスは記載した科目全部ぶんが必要です。
| 項目 | 日付 |
|---|---|
| 出願期間 | 2026年11月2日(月)〜11月9日(月)必着。⚠️持参不可、簡易書留・速達で郵送 |
| 受験票 | 11月19日(木)までに届かなければ問い合わせる |
| 試験日 | 2026年11月26日(木)〜27日(金) |
| 合格発表 | 2026年12月10日(木)10:00。⚠️掲載は12月14日12:00まで |
| 入学手続 | 2026年12月10日(木)〜14日(月)必着。⚠️持参不可、Webで手続 |
| 検定料 | 30,000円(コンビニ端末またはクレジットカード決済) |
| 入学料 | 282,000円 |
⚠️ 合格発表と入学手続の期間が同じです。12月10日に発表があり、14日までに手続を終える必要があります。実質5日しかないので、受かってから考えるのでは間に合いません。
単位認定は60単位が上限
要項は、編入後の単位についてこう書いています。「出身大学等で修得した単位は、本学類の基準に従って60単位を上限として認定します。ただし60単位以内でも、専門科目は、本学類で履修することが望ましいという考えから認定しないこともあります」。
読み取れることは2つです。上限が60単位であること。そして60単位に収まっていても、専門科目は認定されないことがあるということです。理由も書かれていて、社会学類で履修したほうがよいという考え方によるものです。
⚠️ 62単位を持って編入しても、そのまま60単位が認定されるとは限りません。認定されなかった分は、入学後に取り直します。
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編入の単位認定の仕組み|何単位持っていける?留年しない?
対策の進め方
① 経済学で受けるかどうかを11月9日までに決める
4つの主専攻分野から1つを選び、出願後は変えられません。ここが最初で最後の分岐です。
⚠️ 筑波大学は学群編入学試験の過去問題を公開していません。入試情報サイトで公開されているのは一般選抜の問題で、社会学類のサイトにも編入の過去問についての記載を見つけられませんでした。過去問を見てから科目を決める、という進め方はこの大学では取れません。
判断材料になるのは、アドミッション・ポリシーの「初歩的な素養および論理的思考力」という一文と、90分という試験時間です。いま学んでいる分野の延長で受けられるかどうかが、決め手になります。
② 英語は90分の筆記で用意する
外国語は英語で、当日90分の筆記です。TOEICのスコア提出ではありません。スコアの有効期限や提出の締切を気にする必要がないかわりに、読む力がそのまま出ます。
⚠️ 電子辞書を含め、辞書の持ち込みについて要項に許可の記載はありません。机の上に置けるものの一覧に辞書は入っていません。
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編入試験の経済学の勉強法|ミクロ・マクロ独学ロードマップ
③ 2日目の面接に丸1日を空ける
2日目の面接は10時から17時までの枠で行われます。自分の順番が何時になるかは当日まで分かりません。つくばでの宿泊を含めて、2日間の日程を先に組んでおいてください。
面接は個別で、要項は選抜を「筆記試験と口述試験によって」と書いています。⚠️面接の時間や評価事項までは要項に出ていません。準備としてできるのは、選んだ主専攻分野について話せるようにしておくことです。
併願の組み方|富山大学の翌日
| 大学 | 出願 | 試験日 | 当日の負担 |
|---|---|---|---|
| 横浜国立大学 経済学部 | 10月14日〜20日 | 11月16日 | 専門を1科目 |
| 埼玉大学 経済学部 | 10月1日〜9日 | 11月21日 | 当日は面接だけ |
| 東北大学 経済学部 | 9月24日〜10月2日 | 第2次(筆答)11月19日 | 1次でTOEIC L&Rを使う |
| 富山大学 経済学部 | 10月15日〜21日 | 11月25日(水) | 英語と小論文で100分、午後に面接 |
| 筑波大学 社会・国際学群 社会学類 | 11月2日〜11月9日 | 11月26日〜27日 | 専門90分+英語90分+面接(2日) |
| 島根大学 法文学部 法経学科 | 10月14日〜20日 | 11月28日 | 一般教養の小論文2時間、午後に面接 |
出典:この表の6校それぞれが公開している令和9年度の学生募集要項。日付は要項に書かれているものをそのまま並べました。12校ぶんのカレンダーは編入試験に落ちたらどうなる?併願パターンと出願戦略にあります。
富山大学が11月25日、筑波大学が26日から27日、島根大学が28日です。日付は重なっていませんが、4日のあいだに3校が並びます。富山と筑波は連日です。富山で受けた翌日には、つくばにいなければいけません。
⭐ そのかわり、筑波大学は出願がいちばん遅い部類です。11月2日から9日という位置なので、11月16日の横浜国立大学や11月19日の東北大学の手応えを見てからでは間に合いません。ただ10月に出願した各校の書類作りが終わったあとで、落ち着いて用意できます。
まとめ|先に決める3つ
| 1 | 4つの主専攻分野のどれで受けるか。出願後は変えられず、⚠️過去問も公開されていない |
|---|---|
| 2 | 11月25日から28日の4日間をどう組むか。富山・筑波・島根が並ぶ。筑波は2日間そろって1つの試験 |
| 3 | 12月10日から14日の入学手続に動けるか。発表から5日で手続が締まる |
もう一度、数字を並べます。募集10名に、志願者が4年とも64人から72人。合格者は10人から12人で動いていません。今回調べた経済系の国公立のなかでも、志願者は多い水準です。
⚠️ ただし受験者数は公表されていないので、当日の倍率は6倍より下がります。数字が大きいことと、受からないことは同じではありません。決めるべきは、4つのうちどれで受けるかと、その1科目をどこまで深くやるかです。











