「信州大学 編入」で調べると、応用経済学科の募集人員10名という数字が出てきます。国公立の経済系で10名は珍しくない枠なので、候補に入れた人もいると思います。
ただこの大学は、他の経済系とは前提が2つ違います。ひとつは第2年次への編入であること。もうひとつは出願資格に成績の条件があることです。要項を開かないと、どちらも分かりません。
この記事の要点
- ⚠️第3年次ではなく第2年次への編入。入学後は3年通う
- ⭐ただし出願資格は大学に1年以上在学して34単位以上。大学1年生のうちに受ければ、卒業までの年数は変わらない
- ⚠️出願に成績の条件がある(累積GPA3.0以上など3つのうちいずれか)
- 当日は面接100点のみ。1人20分程度。⚠️高校の調査書も提出する
- 出願は2026年11月2日〜6日17時必着、試験11月28日。⚠️成績開示は出願時に申し込む
⚠️第2年次編入なので、受ける学年で意味が変わる
要項の「編入学年次」には一行だけ書かれています。「第2年次への入学となります」。
経済系の編入はほとんどが第3年次なので、ここが最初の分かれ目です。ただし損か得かは、いま何年生かで逆になります。
| いまの状況 | 信州大学に入るまで | 卒業まで合計 |
|---|---|---|
| 大学1年生 | 1年通って34単位以上を取り、2年次に編入 | 1年+3年=4年(変わらない) |
| 大学2年生 | 2年通ってから2年次に編入 | 2年+3年=5年(1年増える) |
| 短大・高専卒 | 卒業して2年次に編入 | 3年通う |
出典:2027年度 信州大学経法学部 第2年次編入学 学生募集要項。実績は同学部が公開している「令和8年度 入試結果の情報開示」によります。
出願資格は「大学に1年以上在学し、専門科目と教養科目を合わせて34単位以上を修得した者」です。62単位ではありません。大学1年生の11月に出願して、2027年3月末までに34単位を取る見込みがあれば出せます。
つまりこの大学は、3年次編入を狙う2年生の併願先ではありません。1年生のうちに動く人が選ぶ大学です。2年生が受けると、卒業が1年遅れ、授業料も1年分増えます。
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大学編入はいつから準備すべき?学年別スケジュールで解説
出願に成績の条件がある
2つ目の前提がここです。要項は出願資格を2段構えにしていて、学歴の条件(1年以上在学+34単位など)に加えて、次の3つのうちいずれかを満たすことを求めています。
| (a) | 最終出身校の修得科目において、全体の累積GPAが3.0以上 |
|---|---|
| (b) | 最終出身校の修得科目において、全体の70%以上が80点以上の評価(優またはA以上) |
| (c) | 在籍中または卒業した高等専門学校・高等学校における成績全体の評定平均値が4.0以上 |
3つのうち1つでよいので、大学の成績が振るわなくても(c)の高校の評定で出せる場合があります。⚠️ただし逆に、この3つのどれにも当てはまらない人は、出願そのものができません。
今回当メディアが令和9年度の要項を読んだ経済系の国公立のなかで、出願資格に成績の条件を置いていたのは信州大学だけでした。ほかの大学は単位数と在学期間だけです。
⚠️ 出願を考えているなら、いちばん最初に自分のGPAと評定を確認してください。ここで外れると、あとの準備はすべて無駄になります。
当日は面接だけ。ただし高校の調査書も出す
| 科目 | 配点 | 時間 | 参考資料 |
|---|---|---|---|
| 面接 | 100点 | 1人20分程度 | 自己申告書、成績証明書または調査書 |
筆記試験はありません。英語のスコア提出も要りません。当日の点数は面接100点がすべてです。
要項は評価の基準も書いています。「面接は、志願者の大学での学習に必要な基礎学力の有無を判断し、社会科学に対する適性や能力及び入学の熱意、その他を加味して評価します」。⚠️面接室には受験票のみを持って入室します。
提出書類に高校の調査書が入っている
出願書類のなかに、編入試験では珍しいものがあります。
| 調査書 | 出身高等学校または高等専門学校の長が作成し、厳封したもの |
|---|---|
| 成績証明書 | 在学中の大学・短期大学で出願時に入手できる最新のもの。単位修得状況が分かれば形式は問わない |
| 自己申告書 | 学部ホームページからダウンロードして記入する |
| 自己申告書内容証明書等 添付用紙 | 自己申告書の内容を補う資料があれば添付する(必須ではない) |
高校に連絡して発行してもらう書類です。大学に入ってから時間が経っているほど、取り寄せに日数がかかります。⚠️出願期間は11月2日から6日までの5日間しかないので、調査書はそれより前に手元にある状態にしてください。
⚠️ もうひとつ、出願書類の提出後は志望学科の変更が認められません。応用経済学科か総合法律学科かは、出願の時点で決めきる必要があります。
令和8年度の入試結果
信州大学経法学部は、編入学試験の結果を学部サイトで公開しています。令和8年度のものが出ています。
| 学科 | 募集人員 | 志願者 | 受験者 | 合格者 | 入学者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 応用経済学科 | 10 | 4 | 4 | 0 | 0 |
| 総合法律学科 | 10 | 10 | 10 | 2 | 2 |
| 合計 | 20 | 14 | 14 | 2 | 2 |
募集人員は10名ですが、令和8年度の応用経済学科は合格者が0人でした。学部全体でも、募集20名に対して合格2名です。
⚠️ なぜ0人だったのかは公表されていません。成績の条件で外れたのか、面接の評価が基準に届かなかったのか、要項からも結果の表からも読み取れません。
⚠️ そして公開されているのは令和8年度の1年分だけです。当メディアは信州大学の「過去の選抜状況」のページと、大学全体の統計PDFを令和6・7・8年度の3種類確認しましたが、編入学試験はどれにも入っていませんでした。過去と比べることができないので、この0人が例年どおりなのか、その年だけのことなのかは分かりません。
ここから言えるのは1つだけです。募集人員10名という数字は、10人が入れるという意味ではありません。要項の募集人員と、実際に通る人数は別のものとして見てください。
日程と費用
| 項目 | 日付 |
|---|---|
| インターネット出願の登録と検定料の支払い | 2026年10月26日(月)〜11月6日(金) |
| 出願書類の郵送 | 2026年11月2日(月)〜11月6日(金)17時必着(簡易書留・速達) |
| 試験日 | 2026年11月28日(土)/信州大学経法学部(松本市旭) |
| 合格発表 | 2026年12月3日(木)14時。⚠️出願登録サイトで確認する(ホームページや構内への掲示はない) |
| 入学手続 | 合格発表から12月10日(木)17時まで |
| 受験上の配慮の申請期日 | 2026年10月5日(月) |
⚠️ 出願は2段構えです。登録と検定料の支払いが10月26日から、書類の郵送は11月2日から。登録しただけでは出願になりません。
| 費用 | 金額 |
|---|---|
| 入学検定料 | 30,000円+システム利用料900円 |
| 成績開示手数料 | 800円(希望する場合のみ。⚠️出願登録のときに申し込む) |
| 入学料 | 282,000円 |
| 授業料 | 年額535,800円(前期・後期 各267,900円) |
| 入学手続時のその他 | 学生保険料・学友会費・同窓会費・後援会費などで合計60,000円程度+システム利用料(納入総額の2%) |
⭐成績開示は出願のときに申し込む
この大学は成績開示のしかたが他と違います。要項はこう書いています。成績開示を希望する志願者は、インターネット出願登録の際に「入試成績開示請求の希望」で「希望する」を選ぶこと。そして入学検定料と併せて、指定の成績開示手数料を支払うこと。
開示されるのは個別テストの合計点(内訳評価付き)で、期間は令和9年1月1日から1月30日です。⚠️試験が終わってから請求することはできません。800円なので、受けるなら出願のときに申し込んでおくほうが後悔しません。
⚠️ なお要項には、入学時の費用についても書かれています。「入学時にはノートパソコンやTOEIC受験料等の教材費が、入学後には教科書購入費用が必要となります」。入学料と授業料のほかに見ておく必要があります。
対策の進め方
① GPAと評定を確認する
順番はここからです。累積GPA3.0、修得科目の70%が優以上、高校の評定平均4.0。この3つのうち1つでも満たしていなければ、出願できません。
大学の成績表と高校の評定は、どちらも自分で確認できます。⚠️高校の評定は調査書に載るので、調査書を取り寄せる段階で(c)に当てはまるかどうかも分かります。
② 調査書を先に取り寄せる
出願期間は11月2日から6日の5日間です。高校に調査書を頼むのは10月のうちに済ませてください。厳封で出す必要があるので、届いたら開封しないように保管します。
③ 自己申告書で面接の材料を作る
当日は面接100点だけで、その参考資料が自己申告書と成績証明書・調査書です。面接で聞かれることは、この3つから出てきます。
要項が評価すると書いているのは、大学での学習に必要な基礎学力の有無、社会科学に対する適性や能力、入学の熱意です。自己申告書には、いまの大学で何を学び、応用経済学科で何を続けたいのかを書きます。
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④ 20分の面接に備える
1人20分程度で、複数の教員が担当します。⚠️受験番号の順と面接の順番は関係がなく、当日に知らされます。集合時刻から2時間程度で終わる予定ですが、遅れる場合もあると要項に書かれているので、帰りの列車や飛行機の時間には余裕を持ってください。
併願の組み方|島根大学と同じ11月28日
| 大学 | 出願 | 試験日 | 編入年次 |
|---|---|---|---|
| 横浜国立大学 経済学部 | 10月14日〜20日 | 11月16日 | 3年次 |
| 新潟大学 経済科学部 | 11月2日〜5日 | 11月21日 | 3年次 |
| 富山大学 経済学部 | 10月15日〜21日 | 11月25日 | 3年次 |
| 筑波大学 社会学類 | 11月2日〜9日 | 11月26日〜27日 | 3年次 |
| 信州大学 経法学部 応用経済学科 | 11月2日〜11月6日 | 11月28日 | 2年次 |
| 島根大学 法文学部 法経学科 | 10月14日〜20日 | 11月28日 | 3年次 |
出典:表の各大学が公開している令和9年度の学生募集要項。22校ぶんを1枚に並べたカレンダーは編入試験に落ちたらどうなる?併願パターンと出願戦略にあります。
11月28日に信州大学と島根大学が重なります。両方に出願はできますが、受けられるのは片方だけです。
ただしこの2校は編入する学年が違います。島根大学は3年次、信州大学は2年次。いま大学2年生で3年次編入を考えているなら、比べる相手はそもそも島根大学のほうです。
⚠️ 出願の時期も近くなっています。信州大学は11月2日から6日、新潟大学は11月2日から5日、筑波大学は11月2日から9日。11月第1週に3校の締切が並びます。この時期に書類を作るなら、調査書のように学校へ頼む書類は10月中に手配してください。
まとめ|受けるかどうかを決める3つ
| 1 | いま何年生か。1年生なら年数は変わらない。2年生なら卒業まで合計5年になる |
|---|---|
| 2 | 成績の条件を満たしているか。累積GPA3.0/修得科目の70%が優以上/高校の評定平均4.0のいずれか |
| 3 | 調査書を10月中に取り寄せられるか。出願期間は11月2日から6日の5日間しかない |
この大学は、当日の負担がとても軽い部類です。筆記試験がなく、英語のスコアも要らず、面接100点だけ。準備にかかる時間で言えば、今回調べた経済系のなかでもいちばん少ない側です。
そのかわり、出願できるかどうかの条件が他より多くあります。成績、学年、調査書。そして令和8年度の応用経済学科は、志願4人・受験4人に対して合格0人でした。
受けるかどうかは、ここまでを並べて自分で決めてください。⚠️当メディアとしては、「募集10名だから通りやすい」という読み方だけはしないでほしいと思っています。いま1年生で、成績の条件を満たしていて、長野で3年学びたい理由があるなら、当日の負担がここまで軽い大学は他にありません。その3つが揃っているかどうかが、判断の分かれ目です。











