「関関同立、なかでも同志社に編入したい」——そう考えて調べ始めると、意外な事実に突き当たります。同志社大学は、経済学部の編入試験を毎年は実施していません。2027年度(2027年4月入学)も、経済学部 経済学科の第3年次転入学・編入学試験は実施なしと公表されています。
では同志社への経済系編入は諦めるしかないのか——というと、そうではありません。同志社は「商学部」で第3年次編入を実施しており、ここが経済系志望者の現実的な受け皿になります。以下は2027年度の募集要項に基づく内容です。同志社商学部の第3年次編入について、募集・出願資格・試験科目・対策を、経済系からの編入という視点でまとめました。数値は公式要項の公表内容に基づきますが、出願前には必ず最新の要項を確認してください。
この記事の要点
- 同志社は経済学部の編入は2027年度実施なし。経済系で狙うなら商学部(商学科)が受け皿
- 商学部の募集は「若干名」。試験は商学に関する学力試験(100点)+口頭試問(50点)
- 学力試験は経済学・商業学・国際経済学・経営学・会計学から2題選択。経済学で受けられる
- 出願には英語外部スコアが必要(TOEIC L&R 650点/TOEFL iBT/IELTS 5.5のいずれか)。商学部は英検が使えない
大前提|同志社は「経済学部は編入なし・商学部は編入あり」
まず押さえるべきは、同志社の編入は学部によって実施の有無が分かれるという点です。2027年度の「転入学・編入学試験実施状況」では、経済学部 経済学科の第3年次は実施しないとされています。制度自体はありますが、定員の充足状況により当年度は募集しない、という扱いです。
これは今年に限った話ではありません。同志社が公表している試験結果を見ると、経済学部は2024・2025・2026年度と3年続けて編入学試験を実施していません。制度が廃止されたわけではありませんが、来年度に復活する前提で待つのは現実的ではないと考えたほうがいいでしょう。
出典:同志社大学「転入学・編入学 試験ガイド」第3年次転入学・編入学試験結果(2024・2025・2026年度)
一方で、商学部(商学科:商学総合コース・フレックス複合コース)は第3年次編入を実施しています。商学と経済学は隣接分野で、扱うテーマも重なります。「同志社で経済寄りの学問をやりたい」という人にとって、商学部は十分に現実的な選択肢です。関関同立を諦めきれずに再挑戦を考える人の受け皿として、この記事を役立ててください。似た気持ちの整理には立命館・同志社への編入リベンジ|経済系で出願できるのは1学部だけもあわせてどうぞ。
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立命館・同志社への編入リベンジ|経済系で出願できるのは1学部だけ
商学部 第3年次編入の概要|募集・日程
2027年度の商学部 第3年次編入の基本情報は次の通りです。
| 募集人数 | 若干名(商学科:商学総合コース・フレックス複合コース) |
|---|---|
| 出願情報登録 | 2026年8月27日(木)〜9月10日(木) |
| 出願書類郵送 | 2026年9月3日(木)〜9月10日(木)消印有効 |
| 試験日 | 2026年10月10日(土) |
| 合格者発表 | 2026年10月16日(金) |
| 試験会場 | 今出川校地 今出川キャンパス |
「若干名」という表現からもわかるように、枠は決して大きくありません。だからこそ、限られた科目で確実に得点し、書類と口頭試問で自分を的確に伝えられるかが勝負になります。
出願資格|英語スコアの提出が必須
出願できるのは、次のいずれかに該当する人です(一般的な区分。詳細は要項で確認してください)。
- 大学第2年次修了者および2027年3月修了見込みの者(休学期間を除く在学2年以上)
- 短期大学を卒業した者(2027年3月卒業見込みを含む)
- 高等専門学校を卒業した者(同上)
そのうえで、商学部への出願には英語外部検定のスコア提出が必須です。次のいずれかを満たす必要があります。
| 検定 | 商学部の基準(2027年度) |
|---|---|
| TOEIC L&R | 650点以上 |
| TOEFL iBT | スコア4以上(新しいバンド表記。スコアレポートに旧スコアが併記されている場合は70点以上で可) |
| IELTS(Academic) | 5.5以上 |
| 実用英語技能検定(英検) | 商学部では使えない |
スコアは2024年10月1日以降に受験したもので、出願時に提出可能なものに限られます(TOEIC-IPなどは対象外)。注意したいのは、商学部では英検が使えないことです。同じ要項でも文学部英文学科などは英検準1級が選択肢に入っていますが、商学部の出願資格はTOEIC・TOEFL・IELTSの3つに限られています。そしてTOEIC 650点は、対策なしでいきなり届く水準ではありません。英語は出願時までに確定していなければならないため、事実上の最初の締切です。早めに動いてください。目標スコアの決め方から勉強法までは大学編入の英語対策|TOEICは何点必要かへ。
注意:専門学校(専修学校専門課程)を修了した専門士の方は、商学部の出願資格に直接は含まれていません(この枠は神学部・文学部・理工学部が対象)。専門学校から同志社商学部を目指す場合は、出願前に必ず同志社大学へ資格を確認してください。専門学校からのルート全般は専門学校から大学編入する方法が入口になります。
試験科目|「学力試験+口頭試問」、経済学で受けられる
商学部の第3年次編入の選考は、当日の学力試験と口頭試問、そして提出書類で行われます。
| 内容 | 配点・詳細 |
|---|---|
| 商学に関する学力試験 | 100点。経済学・商業学・国際経済学・経営学・会計学の5科目から2題を選択(10:00〜12:00) |
| 口頭試問 | 50点(13:00〜) |
| 学修計画書 | A4用紙1枚・1000字程度を出願時に提出 |
| 英語スコア | 出願資格として提出(上表) |
ここで経済系志望者にとって重要なのが、学力試験で「経済学」を選択できる点です。5科目から2題選ぶ形式なので、経済学を軸に据えつつ、商業学や経営学など隣接科目をもう1題組み合わせる戦略が取れます。編入の経済学(ミクロ・マクロ)の学び方は編入試験の経済学の勉強法|ミクロ・マクロ独学ロードマップにまとめており、そのまま同志社商学部の対策にも使えます。過去問の入手と分析は編入試験の過去問の入手方法と使い方に手順があります。
難易度と立ち位置|関関同立への現実的なリベンジ枠
募集人員は「若干名」としか書かれていません。ここで手が止まる人が多いところですが、同志社は過去の試験結果を公表しています。実際に何人受けて何人受かっているかを見てみます。
| 商学科 | 2024年度 | 2025年度 | 2026年度 |
|---|---|---|---|
| 商学総合コース | 9 → 6 → 1 | 15 → 13 → 3 | 10 → 9 → 6 |
| フレックス複合コース | 13 → 12 → 2 | 26 → 23 → 2 | 4 → 4 → 2 |
| 合計 | 22 → 18 → 3 | 41 → 36 → 5 | 14 → 13 → 8 |
| 実質倍率 | 6.0倍 | 7.2倍 | 1.6倍 |
出典:同志社大学「転入学・編入学 試験ガイド」の第3年次転入学・編入学試験結果(2024・2025・2026年度)。数値は「志願者数 → 受験者数 → 合格者数」の順。実質倍率は受験者数÷合格者数で算出。外国人留学生入試は除きます。
「若干名」でも毎年3〜8人が合格している
まず押さえたいのは、合格者がゼロや1〜2人ではないことです。3年とも3人以上、直近は8人。「若干名」という表記から想像するより、実際に入っている人は多いといえます。
そのうえで、この数字を予測に使わないでください。実質倍率は6.0倍 → 7.2倍 → 1.6倍と動いています。志願者が41人だった年の翌年に14人まで減り、合格者は逆に5人から8人へ増えました。前年の数字から今年の難易度を読むことはできません。
読み取れるのは「入りやすい/入りにくい」ではありません。年によって全く違う試験になります。志願者が少ない年に当たれば通りやすく、多い年に当たれば厳しい。それは出願してからでないと分かりません。できるのは、どちらの年に当たっても通る水準まで英語と専門を上げておくことだけです。
動いているのは商学総合コースのほう
コース別に見ると、フレックス複合コースは3年とも合格2人で固定されています。志願者は26人から4人まで動いているのに、合格は2人のまま。
対して商学総合コースは1人 → 3人 → 6人と増えています。合計の振れ幅は、ほぼ商学総合コースの動きです。フレックス複合を志望する場合は、志願者数がどうであれ枠は2人前後だと見ておいたほうが安全だといえます。
なお、当日の学力試験が2題選択という形式は、対策範囲を絞りやすいという意味では受験生に有利に働きます。
同志社商を本命に置くか併願に回すかは、出願日と発表日を並べて考える必要があります。これは後半の「併願の組み方」で扱います。経済系の実施校そのものは経済学部に編入できる大学一覧や大学別の編入情報をご覧ください。
対策のポイント|英語・専門・口頭試問・書類
① 英語スコアを最優先で確保する
TOEIC 650点(またはTOEFL・IELTSの基準)を満たさなければ、そもそも出願できません。英語は短期間で上げにくいため、最優先で着手します。
650点に届いていない段階から始めるなら、何をどれだけ回したかの記録が具体的な目安になります。
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編入のTOEICを3か月で440→860にした記録|使った本と周回数
② 経済学を軸に学力試験の2題を固める
5科目から2題選択なので、得意分野に絞って深めるのが効率的です。経済系出身なら経済学を主軸に、商業学・経営学などを1題足す形が組みやすいでしょう。経営学の側の進め方は編入試験の経営学の勉強法で説明しています。
③ 口頭試問と学修計画書を一貫させる
配点50点の口頭試問と、1000字の学修計画書は連動しています。「なぜ商学部なのか」と「そこで何を研究したいのか」が食い違わないよう、書類の段階で筋を通しておきます。面接・口頭試問の考え方は編入の面接・口頭試問対策で扱っています。
併願の組み方|最も早く結果が出る「保険」になる
同志社商を併願に組み込む価値は、合格発表が10月16日と、経済系9校のなかで最も早いところにあります。
神戸大の試験は11月3日、名大は10月30日。同志社商の結果は、その両方より前に出ます。
ここに実務的な意味があります。10月16日に合格を1つ持って11月の国公立に臨めるかどうかで、当日の精神状態がまったく変わります。編入試験は当日一発の比重が大きく、しかも面接がない大学も多い。「落ちたら後がない」という状態で受けるより、明らかに有利です。
TOEIC 650を満たせば、他校の要件はすべて満たせる
もうひとつの特徴が英語です。同志社商のTOEIC 650点は、出願要件が明示されている大学のなかで最も高い基準です。
裏を返せば同志社商に出願できるスコアを持っていれば、要件が明示されている他の3校にもそのまま出せます。一方で神戸大・滋賀大・近大には足切りがなく、持っているスコアがそのまま配点に反映されます。
650点を目標に設定しておくと、経済系編入の選択肢がほぼ全部開く——これは目標スコアを決めるうえで使える基準だと思います。
滋賀大との併願は日程が衝突する
ひとつだけ注意点があります。同志社商の試験日10月10日は、滋賀大の第2次選考(個人面接)と同じ日です。滋賀大の1次は書類選考なので両方出願はできますが、1次を通過すると当日ぶつかります。
やっかいなのは、滋賀大の1次通過発表が10月2日なのに対し、同志社への出願は9月10日で締め切られている点です。出願段階では衝突するか分かりません。両方を検討するなら、優先順位を先に決めておいてください。
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一人だと「戦略設計」でつまずく
正直に言えば、同志社商学部の編入で難しいのは科目そのものより「英語・専門・書類・併願校を、限られた時間でどう配分するか」という戦略設計です。経済学部が実施されない年がある以上、同志社だけに絞るのはリスクが高く、経済系の他大学と組み合わせた出願プランが要ります。
当メディアの運営者は、専門学校から神戸大学・名古屋大学の経済学部へ編入した経験者です。同志社を含む関関同立側の受け皿事情も追っています(運営者プロフィールはこちら)。同志社商学部を含め、「どこを本命に、どこを併願にするか」を一緒に設計するところから始めましょう。制度の全体像を先に押さえたい人は大学編入とは?もどうぞ。
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