神戸大学の編入というと経済学部が知られていますが、経営学部でも第3年次編入を実施しています。募集は20人。経済学部と同じ規模の枠です。

そして経営学部の専門科目には、選択科目として経済学が含まれています。経済学部を目指して勉強してきた人が、そのまま出願できる試験だということです。

ただし、併願を考えている人には先に伝えておくべきことがあります。試験日が経済学部とまったく同じ日です。この2つは併願できません。

この記事では令和9(2027)年度の募集要項をもとに、募集人員・出願資格・試験科目・日程・対策を整理します。出願前には必ず神戸大学経営学部の公式サイトで最新版を確認してください。

この記事の要点

  • 募集は20人経済学部と同数で、国公立の経営系では大きな枠
  • 専門科目は経営学・会計学・マーケティング論・経済学の4科目から2科目を試験場で選択
  • 英語は当日試験がなく、TOEFL・TOEIC・IELTSのいずれかを100点に換算。3種から選べる
  • 試験日11月3日は経済学部と同一。両方は受けられない
  • 実質倍率は3年とも約4倍。合格者20人に対し入学者は16〜17人で、毎年3〜4人が辞退している

日程|出願は9月25日から

出願期間 2026年9月25日(金)〜10月2日(金)/Web出願
検定料 30,000円(Web出願サイトで支払い)
試験日 2026年11月3日(火・祝)9:30〜12:30
試験場 神戸大学経営学部学舎(神戸市灘区六甲台町)
合格発表 2026年11月20日(金)10:00(予定)
入学 2027年4月1日

Web出願と郵送の2段構え

出願はWeb出願サイトでの登録と、書類の郵送の2段構えです。顔写真・志望理由書・検定料はWeb上で、学業成績証明書と卒業見込証明書(または在学期間証明書)は書留速達で郵送します。

出願期間が実質8日間と短いうえ、証明書の取り寄せが必要です。9月中旬には準備を始めておかないと間に合いません。

※受験上の配慮を希望する場合は、2026年8月28日(金)までに経営学部教務グループへ申し出る必要があります。他の期限より大幅に早いので注意してください。

試験科目|4科目から2科目を選ぶ

当日の試験は専門科目のみです。英語は事前提出したスコアで代替されます。

科目 配点 内容
英語 100点 TOEFL・TOEIC・IELTSの成績を100点満点に換算(当日試験なし)
専門科目 200点 経営学・会計学・マーケティング論・経済学の4科目から2科目を選択

科目選択は「試験場で」決める

要項には「4科目から2科目を試験場で選択してください」とあります。出願時に申告するのではなく、当日、問題を見てから決められるということです。

これは受験者にとって有利な仕組みです。3科目を仕上げておけば、当日に相性の良い2科目を選べます。逆に2科目だけに絞ると、どちらかが難しかった年に逃げ場がありません。

経済学が選べるのは大きい

選択肢に経済学が入っている点は、この記事を読んでいる人にとって決定的だと思います。

経済学部志望でミクロ・マクロを積み上げてきた人は、その勉強をそのまま経営学部の1科目分として使えます。残り1科目を経営学か会計学で足せば、出願条件が整う計算です。

ただし配点は専門200点に対して英語100点。専門2科目の比重が3分の2を占めるので、選択科目の仕上がりが直接効きます。

英語|3種類から選べるのは神戸大経営だけ

英語の扱いに、他校にない特徴があります。

使える試験 提出書類
TOEFL iBT/revised PBT Test Taker Score Report(原本)または写し+ETS Data Manager申請。Institution code: C747/Department code: 82
TOEIC L&R 公式認定証(原本)またはデジタル公式認定証の写し
IELTS(アカデミック) 成績証明書(原本)または写し+IELTS Results Verification Service申請

TOEFL・TOEIC・IELTSの3つから選べます。しかも複数提出した場合は受験者に有利なほうが採用されます。

これは経済系の編入では珍しい設計です。神戸大 経済学部滋賀大はTOEIC L&R一択、京都大はTOEFLのみ。同じ神戸大でも、経済学部と経営学部で条件が違います。

使えないものは明確に指定されている

対象外 TOEFL-ITP/TOEFL iBT Home Edition/TOEIC-IP/TOEIC Speaking & Writing/TOEIC Bridge/IELTSオンライン版
有効期間 2026年9月末より前の2年以内に受験したもの

とくにTOEFL iBT Home Editionが使えない点は要注意です。自宅受験は便利ですが、神戸大経営では受理されません(横浜国立大は逆にHome Editionを認めています)。各校の違いは編入試験は英検で受けられる?経済系8大学の対応一覧にまとめました。


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編入試験は英検で受けられる?経済系8大学を調べたら2校だけだった

出願資格|62単位と英語受験歴

神戸大経営の出願資格は、学歴の条件と英語の条件を両方満たす必要があります。

学歴の条件

大学在学 大学に最終学年を含め2年以上在学し、62単位以上を修得(2027年3月までの修得見込みを含む)
短大・高専 短期大学または高等専門学校を卒業した者(2027年3月卒業見込みを含む)
学士 学士の学位を有する者(2027年3月授与見込みを含む)

62単位は見込みでも出願できますが、要項には「62単位修得見込みで出願した者は、本学入学までに62単位を修得していなければ入学許可が取り消される」と明記されています。合格後に単位を落とせないということです。

なお見込みで出願する場合、学業成績証明書に加えて修得予定の単位数・科目名が確認できる書類(履修登録画面の印刷など)の提出が求められます。

英語の受験歴そのものが出願資格

見落としやすいのがこちらです。出願資格には学歴と並んで、TOEFL・TOEIC・IELTSのいずれかを2026年9月末より前の2年以内に受験していることが挙げられています。

スコアの高さではなく「受験していること」自体が資格要件という書き方です。裏を返せば最低点の設定はありませんが、100点満点に換算されて配点に効く以上、低いスコアで出願しても不利を背負うだけになります。

TOEFL・TOEIC・IELTSのどれで出すかを決めたあとは、どう上げるかが問題になります。TOEICで3か月かけた場合の教材と周回数を、別の記事に出しています。


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編入のTOEICを3か月で440→860にした記録|使った本と周回数

経済学部とどちらを受けるか

この記事でいちばん実務的な話です。

経済学部 経営学部
募集人員 20人 20人
試験日 11月3日 11月3日
専門科目 数学100点+経済学100点(両方必須 4科目から2科目選択(200点)
英語 TOEIC L&Rのみ(100点換算) TOEFL・TOEIC・IELTSから選択(100点換算)
出願期間 9月17日〜24日 9月25日〜10月2日
合格発表 11月13日 11月20日

同日開催なので併願できない

どちらも11月3日です。出願期間はずれていますが、試験日が同じなので実際に受けられるのは片方だけ。出願前に決める必要があります。

数学が分かれ目になる

両学部の最大の違いは数学です。

経済学部は数学100点+経済学100点が必須で、数学から逃げられません。対して経営学部は4科目から2科目を選ぶ方式で、数学は選択肢に入っていません。

つまり「経済学は仕上げたが数学が不安」という人にとって、経営学部は同じ大学・同じ枠数で数学を回避できるルートになります。経済学を1科目として選び、もう1科目を経営学か会計学で埋める形です。

逆に数学が武器になる人は、経済学部のほうが差をつけやすいとも言えます。自分の得意科目から逆算して選ぶのが現実的です。

英語のスコア事情でも変わる

もうひとつの判断材料が英語です。経済学部はTOEIC L&R以外を受け付けません。TOEFLやIELTSのスコアしか持っていない人は、経済学部には出せません。

この場合、神戸大を狙うなら経営学部一択になります。

難易度|過去3年の入試結果が公表されている

神戸大経営の要項には、過去3年ぶんの入試結果が数字で載っています。編入試験で志願者・合格者・入学者まで公表している大学は多くありません。ここは推測せずに読めます。

令和6年度 令和7年度 令和8年度
志願者数 85 89 86
受験者数 81 87 83
合格者数 20 20 21
入学者数 17 17 16

出典:令和9年度 神戸大学経営学部 第3年次編入学学生募集要項〔過去の入試結果〕

実質倍率は約4倍で安定している

受験者数を合格者数で割ると、4.05倍・4.35倍・3.95倍。3年とも4倍前後で、年による振れがほとんどありません。

志願者も85〜89人の範囲に収まっています。受ける人数も通る人数も、毎年ほぼ同じということです。募集人員が「20人」と明示されている大学らしい安定した数字で、名古屋大のように倍率が非公表の大学と比べると、見通しは立てやすいほうです。

合格者20人に対して、入学者は16〜17人

見落とされやすいのがこの行です。3年とも、合格者より入学者が3〜4人少ない。

合格しても入学していない人が毎年いる、ということです。理由は要項に書かれていないので断定はできませんが、神戸大経営を受ける層は他にも受かっていると読むのが自然でしょう。同じ日程の経済学部とは併願できないので、行き先は他大学です。

受験する側から見ると、合格者数の20という枠は、実際に席が埋まる数より少し多めに出されていることになります。令和8年度は21人が合格しています。募集20人という数字を、20席の椅子取りゲームとして受け取らなくてよい、ということです。

不合格でも自分の成績を取り寄せられる

もうひとつ、要項に書かれていて使われていない制度があります。入試情報開示です。

受験生本人が請求すると、自分の試験成績と順位が簡易書留で送られてきます。請求できるのは令和9年5月1日〜5月30日(郵送のみ・必着)で、申込書・受験票のコピー・460円分の切手を貼った返信用封筒が要ります。発送は6月下旬以降です。

翌年もう一度受けるつもりなら、これは取っておく価値があります。専門2科目と英語のどこで足りなかったのかが順位つきで分かるので、次の1年の配分が決まります。手応えの記憶だけで対策を組み直すより確実です。

対策の進め方

① 英語スコアを2026年9月末までに確保する

出願資格そのものが「2年以内に受験していること」なので、まずここを満たす必要があります。3種類から選べるぶん、すでに持っているスコアを活かしやすいのが利点です。

配点は300点中100点。目標スコアの立て方を参考に、出願前に到達できる最高点を作ってください。

② 専門は3科目を仕上げて当日2科目を選ぶ

当日選択できるという設計を活かすなら、2科目ではなく3科目を準備するのが安全です。経済学部志望から流れてきた人なら、経済学+経営学+会計学あたりが現実的な組み合わせでしょう。

経済学の進め方は編入試験の経済学の勉強法にまとめました。経営学・会計学・マーケティング論は経済学とは別分野なので、標準的な教科書を1冊決めて早めに着手してください。

そのうち経営学については、使う本と回し方を編入試験の経営学の勉強法で別に書いています。

③ 志望理由書は所定様式で用意する

選考は出身大学等の成績・志望理由書・英語スコア・専門科目の成績を総合して行われます。志望理由書は本学部所定様式で、Web出願時にアップロードします。

面接がないため、書類が自分を説明できる唯一の場です。書き方は大学編入の志望理由書の書き方をどうぞ。

④ 証明書は9月中旬までに手配する

学業成績証明書と卒業見込証明書(または所定様式の在学期間証明書)は書留速達で郵送します。出願期間が9月25日〜10月2日と短いので、9月中旬には発行を依頼しておいてください。

まとめ

20人。経済学部と同数
専門 経営学・会計学・マーケティング論・経済学から2科目を当日選択(200点)。数学なし
英語 TOEFL・TOEIC・IELTSから選べる(100点換算)。Home Edition・IP・S&Wは不可
締切 2026年10月2日/試験11月3日/発表11月20日
最大の注意 試験日が経済学部と同一。併願できない

神戸大経営の編入は、「数学を使わずに神戸大を狙える唯一のルート」だと言えます。枠は経済学部と同じ20人。経済学を選択科目として使えるので、経済学部向けに積み上げた勉強も無駄になりません。

判断が必要なのは、同じ日程の経済学部とどちらを選ぶかという一点です。数学に自信があるか、手持ちの英語スコアが何か、専門を何科目まで仕上げられるか。この3つで答えは変わります。

運営者の1人は、実際に神戸大学経済学部へ編入しています。六甲台で何が求められるかは、内側から見てきたことです。経済学部と経営学部のどちらが自分に向くかは、いまの科目の仕上がりから逆算すれば決められます運営者プロフィールはこちら)。

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