編入を調べ始めた人が最初にぶつかるのは、「どの大学が編入を受け入れているのか、一覧がどこにもない」という壁です。大学入試なら偏差値表という地図がありますが、編入試験にはそれに当たるものが存在しません。募集の有無は大学ごと・学部ごと・年度ごとに変わり、要項が出るまで確定しないためです。
そこで先に地図を渡します。経済・経営・商学系に絞って各大学の公式要項を確認すると、私立と国公立で状況がはっきり分かれます。この違いを知らないまま志望校を考えると、行き止まりの方向に時間を使うことになります。
この記事の要点
- 経済系の編入は、私立より国公立のほうが門が開いている
- 関関同立で経済系が出願できるのは関西大 商学部・同志社大 商学部の2つ(2027年度)
- 産近甲龍も経済系で募集があるのは近畿大・龍谷大の2校で、京都産業大・甲南大は対象外
- 「編入できる大学」は年度で変わるため、志望校は要項の公表時期から逆算して決める
まず地図|経済系で編入できる場所は偏っている
2027年度入学(2026年秋実施)について、関西の主要私大の公式要項を1校ずつ当たった結果が次のとおりです。経済・経営・商学系で、他大学から3年次編入に出願できるかどうかで並べています。
| 大学 | 経済・経営・商学系の募集 | 要項の記載 |
|---|---|---|
| 関西大学 | 商学部(商学科)・若干名 | 募集学部に経済学部は含まれない |
| 同志社大学 | 商学部(商学科)・若干名 | 経済学部の第3年次は実施なし。英語外部スコアの提出が必須 |
| 関西学院大学 | 募集なし | 神学部・教育学部のみ。「本年度は上記以外の学部・学科・コースは募集しません」 |
| 立命館大学 | 募集なし | 一般編入学・転入学試験の要項は理工学部のみ |
| 近畿大学 | 経済学部で実施 | 産近甲龍のなかでは志願者が集まりやすい |
| 龍谷大学 | 経済学部で実施 | 摂神追桃からの受け皿になりやすい |
| 京都産業大学 | 募集なし | 編・転入試の対象は外国語・文化・理・情報理工・国際関係の各学科 |
| 甲南大学 | 募集なし | 編入学試験の対象は理工学部・フロンティアサイエンス学部 |
関関同立で2校、産近甲龍で2校。関西の有名私大8校のうち、経済系で門が開いているのは半分です。しかも関関同立側の2つはいずれも経済学部ではなく商学部です。
一方で国公立の経済系は、神戸大学、大阪公立大学、滋賀大学など、募集を継続している大学が複数あります。「国公立のほうが難しいはずだから私立から」と考えると、かえって選択肢が狭くなるのが編入の特徴です。
なぜ私立で募集が消えるのか
編入の枠は、在学生の退学などで生じた欠員を埋める性格を持っています。定員が充足していれば募集する理由がなく、その年は実施されません。だから私立では「去年はあったのに今年はない」が普通に起こります。
この構造から、実務上の結論が2つ出ます。ひとつは、前年度の情報で志望校を決めてはいけないこと。もうひとつは、募集が安定している大学を軸に据えたほうが計画が壊れにくいことです。国公立が軸として機能しやすいのはこのためです。
試験科目は絞られている
編入で課される科目は、英語と専門が中心です。大学入試のように5教科を仕上げる必要はありません。
| 大学入試 | 編入試験 | |
|---|---|---|
| 科目数 | 5教科型が中心 | 英語+専門科目に絞られる |
| 英語の測り方 | 当日の筆記が中心 | 外部検定スコアを事前提出する大学が多い |
| 準備の起点 | 高校3年間 | 大学入学後からで間に合う |
| 失敗したとき | 浪人・進路変更 | 在籍中の大学でそのまま進級 |
英語を外部検定スコアで提出する方式は、出願時点でスコアが手元にないと出願自体ができません。試験本番より先に締切が来る項目だと考えて動くのが安全です。何点あればいいのかは大学編入の英語対策|TOEICは何点必要かが詳しいです。
今から検討するなら、この順で絞る
地図を踏まえると、候補は次のように絞れます。上から順に確認していけば、志望校リストは自然に決まります。
① 軸にする国公立を1〜2校選ぶ
神戸大学、大阪公立大学、滋賀大学などから、試験科目が自分の得意と合う大学を選びます。数学と経済学の筆記型か、書類と面接が中心の型かで、必要な準備が変わります。
② 私立は要項が出てから足す
関西大 商学部、同志社大 商学部、近畿大 経済学部、龍谷大 経済学部が候補になります。ただし実施の有無は当年度の要項で確定するため、先に予定へ組み込みすぎないことです。
③ 英語の受験日を先に押さえる
①②のどちらに転んでも英語は必要です。志望校が固まる前でも、外部検定の受験日だけは先に確保しておくと後戻りがありません。
まずは①の1校を決めて、その大学の募集要項を最後まで読んでみてください。募集人員がいくつで、出願にどれだけの単位が要り、英語で何を提出させるのか。試験日はいつか。ここまで読めば、今日から何を始めればいいかが決まります。学年ごとの動き方は大学編入はいつから準備すべき?で扱っています。
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