いまの学部が合わないと感じたとき、調べ方は2つに分かれます。「転部」で検索するか、「編入」で検索するか。

やってみると、出てくる情報の量がまるで違います。編入は募集要項がPDFで公開されていて、募集人員も試験科目も日程も配点も書いてあります。ところが転部は、大学のサイトを探しても出てこないことがあります。

当メディアが確認した例でいうと、神戸大学経済学部の規則は「転学部に関する事項は、別に定める」とだけ書いています。名古屋大学の入試情報のページには、編入学試験の案内はありますが転学部の記載がありません。一方で日本大学経済学部は、転部試験の科目も日程も募集人員も公開しています。大学によって扱いが分かれます。

この記事では、転部と編入が制度としてどう違うのか、そして情報の集め方がどう変わるのかを整理します。

この記事の要点

  • 転部は同じ大学の中で学部を移る、編入は別の大学へ移る。移る先が違うので、比べるものが違う
  • ⚠️転部は要件が公開されていない大学がある。神戸大学経済学部の規則は「別に定める」とだけ書いている
  • 編入は募集要項に全部書いてある。募集人員・科目・日程・配点・出願資格まで外から読める
  • ⚠️編入では学内から移れない大学がある。富山大学の要項には「本学他学部在学者は除く」と書かれている
  • ⚠️呼び方も大学で違う。高崎経済大学は在学中なら「転入学」、退学済みなら「編入」と分けている

移る先が違う

まず言葉の整理です。

転部・転学部 編入
移る先 同じ大学の別の学部 別の大学
大学名 変わらない 変わる
最終学歴 変わらない 編入先の大学になる
落ちたら いまの学部に残る いまの大学に残る
情報の出どころ 学内の規程。公開されていない大学がある 募集要項(PDFで公開)

どちらも落ちたときの損が小さいのは同じです。いまの籍はそのまま残ります。違うのは、移ったあとに大学名が変わるかどうかです。

「授業の内容が合わない」だけなら転部で足ります。「大学そのものを変えたい」なら転部では解決しません。何に不満があるのかで、見るべき制度が決まります。

⚠️転部は、要件が公開されていない大学がある

ここが実際に調べたときの最大の違いでした。

見たもの 書かれていたこと
神戸大学 経済学部規則 第13条「転学部に関する事項は、別に定める」。条文はあるが、在学年数も単位数も選考方法もこの規則には無い
名古屋大学 入試情報のページ 載っているのは学部編入学試験だけ。転学部の記載が見つからなかった
日本大学 経済学部 転部試験の情報を公開している。科目は学習計画書審査・英語・論文、年2回(10月と3月)、募集は若干名

出典:神戸大学経済学部規則、名古屋大学の入試情報ページ、日本大学経済学部の転部試験・転科試験のページ(いずれも2026年10月に当メディアが確認)。⚠️3校を見ただけなので、全国の傾向を示すものではありません。公開していない大学でも、学内の窓口では案内されている可能性があります。

「サイトに出ていない=制度が無い」ではありません。神戸大学の規則には転学部の条文そのものはあります。要件が別の規程に置かれていて、外から読めないだけです。

これは在学生にとっては致命的ではありません。教務の窓口で聞けるからです。ただし、調べる手順が編入とは別物になります。

転部を調べる 編入を調べる
どこを見るか 学生便覧・学内ポータル・教務窓口 大学のサイトの募集要項(誰でも読める)
いつ分かるか 窓口が開いている時間に行く必要がある いつでも
他大学と比べられるか 自分の大学のことしか分からない 何校でも並べて比べられる

編入の要項には、ここまで書いてある

比較のために、編入の募集要項に何が載っているかを並べます。当メディアが読んだ経済・経営系の要項は、どれもこの水準でした。

項目 書かれている例
募集人員 学科ごとの人数。「若干名」の大学もある
出願資格 必要な在学年数と単位数。50単位から70単位まで大学ごとに違う
試験科目 専門科目・小論文・面接・英語の扱い
配点 科目ごとの点数。合計何点か
日程 出願期間・試験日・合格発表日・手続期間
費用 検定料・入学金・授業料
実績 大学によっては過去数年の志願者・合格者数や合格最低点まで

受ける前に、相手の条件がほぼ全部分かります。これは転部には無い性質です。転部は自分の大学の中の話なので、比べる相手がいません。

次に読む四年制大学から編入する方法|在籍したまま受けられる。必要な単位数は大学ごとに違う

⚠️編入では学内から移れない大学がある

「学部を変えたいだけなら、同じ大学の別の学部に編入すればいいのでは」と考える人がいます。これができない大学があります。

富山大学 経済学部の編入の要項には「(本学他学部在学者は除く)」と書かれています。富山大学の別の学部に在籍している人は、この編入試験には出願できないという意味です。学内で移りたいなら転部の制度を使ってください、という整理になっています。

一方で高崎経済大学は逆です。2年次編入・転入学の選抜で、他の大学だけでなく本学他学部で修得した単位も事前審査の対象にしています。

注:当メディアが要項を読んだ範囲での例です。すべての大学を調べたものではありません。学内から出願できるかどうかは、志望先の要項で必ず確認してください。

つまり「同じ大学の中で移る」手段が転部だけなのか、編入も使えるのかは、大学によって違います。ここは思い込みで進めず、要項の一文を確認してください。

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⚠️呼び方も大学で違う

さらにややこしいのが用語です。高崎経済大学は、同じ条件でも在学中か退学済みかで名前を分けています。

いまの状態 高崎経済大学での呼び方 条件
他の大学に在学中 転入学 1年以上在学し34単位以上
他の大学を退学済み 編入 同じく1年以上在学し34単位以上

条件は同じなのに、出願する号が分かれています。「転入学」という言葉で検索して出てこないからといって、制度が無いとは限りません。要項の目次を開いて、自分の状態に当てはまる号を探すほうが確実です。

次に読む高崎経済大学 経済学部 編入の難易度・試験科目・対策【令和9年度|第2年次編入】

どちらを選ぶかの材料

制度の違いを、選ぶときの基準に置き換えます。

いまの状態 向いているほう 理由
学ぶ内容だけが合わない。大学には不満がない 転部 大学を変える必要がない。移動も人間関係も変わらない
大学名を変えたい 編入 転部では最終学歴が変わらない
いまの大学に転部の制度が無い/要件に届かない 編入 外の大学なら、要項の条件を満たせば出願できる
比べてから決めたい 編入 要項が公開されているので、何校でも並べられる
まだ決められない 両方調べる どちらも落ちてもいまの籍は残る。並行して準備できる

両方を同時に調べても損はしません。転部は教務の窓口で聞く、編入は要項を読む。やることが別なので、片方を進めながらもう片方を確かめられます。

ただし締切の性質は違います。編入は出願期間が要項に書かれていて、短い大学だと4日しかありません。転部は大学によって年1回か2回です。先に日付が決まっているほうから押さえてください。

まとめ|明日やること

やること どこで
いまの大学に転部の制度があるか聞く 教務の窓口。学生便覧と学内ポータルも見る
要件(学年・単位数・成績)を聞く ⚠️サイトに出ていないことがある。窓口で確認する
編入の要項を1校ぶん読んでみる 志望しそうな大学のサイト。PDFで公開されている
自分の単位数を数える 成績証明書。編入は必要単位数が大学ごとに違う

調べる順番として現実的なのは、先に転部を窓口で確かめることです。制度が無い、あるいは要件に届かないと分かった時点で、検討する範囲が編入に絞られます。あれば、編入と並べて比べられます。

どちらにしても、いまの籍を手放す必要はありません。学部が合わないと気づいた時点で、選べる道は2つあります。どちらを選ぶかは、大学名を変えたいかどうかで決まります。

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